日英両国は、強い経済的つながりを持つ自由貿易国として、両国の間に長く重要な歴史を有しています。2020年10月、日本と英国は、この民主的な2国間のビジネスパートナーシップをさらに強化することを目的とした歴史的な協定を締結しました。
2020年12月31日、日英包括的経済連携協定(CEPA)が発効しました。これは、2020年1月のEU離脱後、独立した貿易国として活動する英国にとって初の大規模な貿易協定です。これに先立つ2019年の日英間の貿易実績は295億ポンドでした。今回の協定は、この種のものとしては初めてのもので、日本との貿易を約153億ポンド加速させることが予測されています。今回の貿易協定は、英国が2021年6月2日に正式に加入交渉を開始した「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」に向けた重要なステップであり、アジア太平洋地域から英国への貿易促進を目的としています。加えて、CEPAは日本から英国への規制プロセスをさらに改善し合理化することを目的として、女王陛下の大蔵省、英国の金融規制機関、日本の金融庁(FSA)の間で毎年対話を行う場を設けています。
今回の取り決めにより、農業、製造業、技術·デジタル、金融サービス、中小企業、投資、サービス、クリエイティブサービスなど、いくつかの産業分野において、日本企業が英国市場に参入するための市場アクセスが改善されます。具体的には、両国間の個人情報保護の水準を維持しつつ、データの自由な流れを含む技術·デジタル産業の優位性を促進します。また、日産や日立などの日本の自動車メーカーを支援し、英国に輸出される機械の関税を引き下げることで、自動車や製造業などの産業にも大きな利益をもたらします。また、英国市場における規制手続きの改善や知的財産の円滑化も実現します。2020年、英国は自動車エンジンの1億2000万ポンドに加えて、自動車部品、付属品、コンポーネントで4億5800万ポンドを輸入しました。今回の協定では、WTOの関税引き下げに加えて、日本からの自動車部品に対する関税が段階的に撤廃され、最終的には日英間の自動車製造分野の貿易が加速されるものと推定されます。