ベンチャーキャピタルは、多くのスタートアップ企業のどこに資金を投入するかをのべつ見極めています。そして、スタートアップ企業にとっては投資家に会うだけでも簡単なことではありませんが、投資家を説得して資金を投資してもらうことはさらに難しいことです。ここでは、投資家の判断材料となる「チーム」「製品」「市場」という3つの柱についてご紹介します。
チーム
優秀な人材は、どんなアイデアでもビジネスに変えることができます。だからこそ、常に投資家は企業の中心となるコアチームに注目します。データによると、ベンチャー企業の60%はチームの問題が原因となって失敗しています。だからこそ、投資家はそのチームが必要なスキル、知識、経験を持ち備え、成功への道を理解していると確信する必要があるのです。
チームメンバーの経験(ハードスキル)と情熱やビジョン(ソフトスキル)が絶妙なバランスを保っているのが理想的なチームだと言えます。
製品
投資家は、大きな可能性と競争力を持つ製品に投資したいと考えます。そのためには、かつて誰も解決できなかった問題を解決してくれるような製品であり、複製が困難な製品でなければなりません(企業は強力な知的財産戦略を持っていなければなりません)。
投資家は、市場の他のどの製品よりも優れている、あるいはどこよりも安いため、顧客が切実に必要とするような製品やサービスを探しているのです。ベンチャーキャピタルは、複製が非常に困難な競争上の優位性をもった製品やサービスを提供する企業を探しています。
市場
ベンチャーキャピタルは、単に人やアイデアに投資するわけではありません。より重要なのは、産業へ投資しているということです。困難なことの一つは、どの市場が価値があるのかを予測することでしょう。投資家は、技術が不確かで市場ニーズが不明なものだけでなく、成長率が劇的に低下する後期段階に至った企業についても避ける傾向にあります。つまり、たとえチームや製品が優れていても、対象となる市場が時代遅れであったり、まだ存在していなかったりすると、投資を集めるのに大変な労力がかかります。その助けとなるのは、ターゲットとなる獲得可能な最大市場規模(TAM)の総推計が10億ポンド以上の潜在的な収益を有している場合です。ほとんどの投資家は、拡張性のある事業を求め、またベンチャーキャピタルは、市場調査レポート、第三者による推定値、潜在顧客からの評価など、詳細な市場規模分析を要求します。